最終更新日 2025年6月13日
2025年6月6日~8日の3日間、ジャカルタ・コンベンション・センターで開催された「ANIME FESTIVAL ASIA INDONESIA 2025(AFA Indonesia 2025)」に参加してきました。
インドネシア向けマーケティングサポートを行う弊社として、現地のポップカルチャー市場を直接体感する貴重な機会となりました。
Contents
ANIME FESTIVAL ASIA(AFA)とは
アニメ・フェスティバル・アジア(AFA)は、2008年にシンガポールで始まった東南アジア最大級の日本ポップカルチャーイベントです。累計230万人以上を動員し、アニメ、マンガ、ゲーム、音楽、コスプレなど、日本の最新カルチャーを体験できる場として、シンガポールやインドネシアなど複数の都市で開催されています。
今回のAFA Indonesia 2025は3日間の開催で、大規模な展示エリア、コスプレ、アニソンコンサート、トークショー、グッズ販売など多彩なプログラムが用意されていました。
インドネシアのアニメ市場の勢い
実際に会場を訪れて改めて感じたのは、インドネシアにおける日本アニメの圧倒的な人気です。
余談ですがインドネシアNetflixのTOP10ランキングに入るのは日本のドラマではなくアニメ作品が中心で、中にはアニメで日本語を覚える人がいるほどの熱狂ぶりです。
この人気は数字だけでなく、会場の熱気からも十分に伝わってきました。
当日の会場の様子
圧倒的な盛り上がりとコスプレ文化
最終日(8日)に訪問しましたが、会場は歩けないほどではないものの、かなりの賑わいを見せていました。最も印象的だったのは、「石を投げればコスプレイヤーに当たる」と言えるほどのコスプレの多さです。
来場者は20~30代の大人が中心で、友人同士、カップル、コスプレ仲間で訪れている人が目立ちました。
ワンピースやナルト、初音ミクなど定番キャラクターから、各々の好きな作品まで多様なコスプレが見られ、男性が女性キャラクター、女性が男性キャラクターのコスプレを楽しむ姿も多く見かけました。
活発な消費行動と高額商材への需要
グッズエリアでは、キーホルダーやTシャツなどの定番商品はもちろん、高額なフィギュア専門店にも長蛇の列ができていました。
現地のアニメ好きによると、「フィギュアは違法複製が難しいため、高くてもオリジナルを買いたがる傾向がある」とのこと。実際、一口2,000円近くするフィギュアくじが最終日にもかかわらずほぼ売り切れ状態でした。
販売商品の価格帯は数百円から数万円まで幅広く、決して安くはない印象でしたが、来場者の購買意欲は非常に高いように感じられました。
企業の積極的な参入
出展企業も多様で、グリコやカルビーなどの日本企業がお菓子を販売し、集英社のMANGA+は巨大ブースを構えていました。
先ほど少し触れましたが、現地の有名フィギュアショップなども積極的に参加しており、日本企業と現地企業が共存する市場の成熟度を感じました。
併催イベントから見る市場の深さ
同日開催されていた「東京アジアオーケストラによるジブリコンサート」では、チケット価格が1~1.5万円という高額にもかかわらず、2,000名以上収容の会場が満席でした。
こちらは年齢層がやや高く、子供連れの裕福な家族の姿も多く見られ、アニメ・マンガファン層の経済力の高さと市場の厚みを実感しました。
興味深いことに、クラシカルなジブリコンサートの会場でも複数のコスプレイヤー(魔女の宅急便のキキなど)がいて、インドネシアにおけるコスプレ文化の浸透度の高さを物語っていました。
マーケティング視点での気づき
今回の訪問を通じて、インドネシアのアニメ・ポップカルチャー市場について以下の特徴を確認できました。
- 市場の成熟度: 単なる「安価な商品を求める市場」ではなく、品質やオリジナリティに価値を見出し、相応の対価を支払う意識の高い消費者層が形成されている(※)
- 多世代への浸透: 若年層中心と思われがちですが、経済力のある大人層への浸透も進んでおり、高額商材への需要も十分に存在する
- 体験型消費の重視: コスプレやイベント参加など、単なる商品購入を超えた体験型消費への関心が高い
- コミュニティ文化の発達: 友人同士やコスプレ仲間での参加が多く、口コミやSNSを活用したマーケティングの有効性を示唆
※この点に関しては「ジャカルタ」で開催された「有料イベント」という点も考慮する必要があるかもしれません。インドネシアの消費者の層は非常に厚く、様々なタイプの消費者が存在します。
まとめ
AFA Indonesia 2025への参加を通じて、インドネシアにおける日本ポップカルチャー市場の活況と、消費者の熱量の高さを肌で感じることができました。
この市場は単なる「海外展開先」ではなく、日本国内市場にも匹敵する深さと可能性を秘めた重要なマーケットであることを改めて認識しました。
インドネシア向けマーケティングを検討されている企業の皆様にとって、現地の消費者文化を理解する上で参考になれば幸いです。