2019年の大統領選挙投票を終えて

国内外からの注目を集めながら、2019年4月17日にインドネシア大統領選挙の投票が行われました。

 

現職のジョコ・ウィドド大統領の対抗馬は軍に強い影響力を持つプラボウォ・スビアント氏。5年前と同じ候補者同士の再対決となりました。

選挙管理委員による公式発表は5月22日となりますが、開票速報によれば概ね10パーセント前後の差をつけて現職ジョコ・ウィドド大統領の再選がほぼ確実となっています。

各調査会社の結果が近い数値を示していることや、5年前の開票速報も大きなずれがなかったこと(一部故意のデータ偽造はあったが)を鑑みると確定と考えても良いかと思います。

 

端的な見方をすれば、今回の選挙はイスラム穏健派のジョコ氏vsイスラム強硬派のプラボウォ氏の対決でもありました。

また、実業家出身でデジタル産業やインフラへの投資を優先するジョコ氏vs軍出身で食料自給率向上や国内工業化を優先するプラボウォ氏という見方もできます。

今回ジョコ・ウィドド大統領の再選がほぼ確定したことで胸を撫で下ろした外資系企業も少なくないのではないでしょうか。

過去5年の間に道半ばとなっている政策を、強固なリーダーシップを発揮して次の5年でやりきっていただきたいところです。

ただ、今回プラボウォ氏を支持した約4割強の国民はイスラム強硬派や保守派の人々が中心です。また、それでなくともインドネシアの約9割はイスラム教の人々から構成されています。

「多様性の中の統一」を国是として掲げているインドネシア。

イスラム教に偏りすぎることなく、国内外のバランスを取りながら経済成長を実現できるか?

次期5年のジョコ・ウィドド大統領の手腕に注目したいところです。

 

話は変わりますが、インドネシアでは二重投票を防ぐため、投票後の投票者の指に「なかなか落ちないインク」を付けます。投票日のジャカルタではどこもかしこも指に印がついている人ばかり。

そしてここぞとばかりに民間企業は「指を見せたら割引!」のキャンペーンを展開。もはやお祭り騒ぎで、SNS上にも多数の投票者の「指アピール写真」で溢れました。

このような流れがあることで、当日の投票率も影響を与えている?かもしれません。日本がインドネシアに学べる部分だと思います。

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