インドネシアの訪日インバウンド事情

こちらのページでは外部データを活用しながら、インドネシアの訪日インバウンド事情についてまとめています。さっと読むことでインドネシア向け訪日対策に必要な最低限の情報を把握できますので、ぜひご活用ください。

数字が表示されていないグラフに関しては、「マウスオーバー」もしくは「タップ」することで数字が表示されます。

インドネシアの基礎情報

インバウンドの話に入る前に、基礎情報をお伝えします。

インドネシアの基礎情報

取り急ぎ抑えて置くべきポイントは以下の2つです。

  1. 世界第4位の人口(約2.8億人でいまだ増加傾向)
  2. イスラム教が約9割(ただしイスラム教徒以外でも約3,500万人が生活する)

GDPに関してはタイやマレーシアと比較するとまだ低めですが、2000年を超えたあたりから急激に成長しています。

参照元:Data Common

 

インドネシア人の訪日インバウンド

インドネシアの訪日インバウンド事情について見ていきましょう。

 

訪日インドネシア人の数はどれくらい?

 

インドネシア人の年間訪日客数は2023年で429,382人です。

 

訪日インドネシア人はいつ来ている?

 

インドネシア人の訪日観光では大きく以下の4つの需要期があると言われています。

(1)3月末~4月の桜シーズン
(2)6月末~7月上旬ごろのスクールホリデー
(3)レバラン休暇
(4)年末休暇

特筆すべきは(3)のレバラン休暇です。

訪日ピークシーズンについて知りたい方は次の記事も参考にしてみてください。

訪日インドネシア人は日本にいつ来てる?インドネシアの訪日ハイシーズン

 

また、こちらの記事も合わせてご参照ください。

インドネシア2025年の祝日、大連休は桜シーズンと重複で訪日観光期待大

 

訪日インドネシア人の旅行手配方法は?

 

8割以上が個別手配(FIT)です。

現地での肌感覚をお伝えしますと、多くのインドネシア人は旅行展示会などでお得な航空券を先に抑えます。その後にホテルや細かい旅程を個人で詰めていく方が多いです。

 

訪日インドネシア人の平均滞在日数は?

 

最も多いのは7-13日間です。

現地での肌感覚をお伝えしますと、旅行代理店が提供するパッケージツアーでは、移動で2日使い、中5-7日程度をかけて複数個所を急ピッチで周遊するプランが多いように感じます。

個人旅行においても短期滞在は少なく、訪日するならば1週間は滞在する方が多くいます。

蛇足ですが就労していたとしても、インドネシアは有給消化率が非常に高く、年内にほぼすべて消化します(レジャーに充てる方が多いです)。

 

訪日インドネシア人の市場規模は?

 

2023年時点で835億円。パンデミック前後で大きく市場規模が伸びています。

 

訪日インドネシア人の一人当たり消費額は?

 

2023年時点で194,622円。市場規模と同じく、パンデミック前後で大きく数値が伸びています。

 

訪日インドネシア人は何にお金を使っている?

最も大きい支出は宿泊費で71,865円。次いで買い物代が53,131円でした。

表題:訪日インドネシア人の費目別旅行支出(出典:「観光庁 訪日外国人消費動向調査 2023年年次報告書」)

費目 支出額 比率
宿泊費 71,865 円 36%
飲食費 38,533 円 19%
交通費 26,904 円 14%
娯楽などサービス費 8,009 円 4%
買い物代 53,131 円 27%
その他 0 円 0%

 

訪日インドネシア人はどこで情報収集している?

 

訪日インドネシア人が旅マエに情報収集をする際、最も役に立ったのは「動画サイト(YouTube)(29.6%)」でした。その後を「自国の親族・知人(29.5%)」「日本政府観光局ホームページ(29.2%)」「SNS(Facebook、Twitterなど)(28.2%)」「宿泊施設ホームページ(25.7%)」と続いています。

SNSに関しては調査項目に沿って「SNS(Facebook、Twitterなど)(28.2%)」と記載しましたが、インドネシアではInstagramやTiktokの方が主流です。

インドネシアのSNSに関する数値はこちらの記事をご参照ください。

インドネシアで人気のSNSや利用者数など【2024年最新版】

 

訪日インドネシア人は日本で何を楽しんでいる?

 

訪日インドネシア人が実際に日本で楽しんだ項目のトップ3は「日本食を食べること(98.1%)」「ショッピング(84.3%)」「繁華街の街歩き(74.5%)」でした。

 

訪日インドネシア人はリピーターはどれくらい?

 

初訪日が41.8%であり、言い換えると約60%はリピーターという結果になりました。

 

訪日インドネシア人の再訪意向は?

 

訪日インドネシア人の80.3%が「必ず来たい」と回答しています。

 

訪日インドネシア人の宗教比率は?

宗教比率に関しては直近のデータはありません。

参考として「JNTO…訪日旅行誘致ハンドブック…2021」内に記載されている表を転載します。

出典:「JNTO…訪日旅行誘致ハンドブック…2021」

  • 国民の9割がムスリムであり経済成長していること
  • 2016年から2019年の3年でイスラム教比率が上昇していること

上記を鑑みると、現在はイスラム教の比率が本表より微増している可能性が高いでしょう。

インドネシアの宗教について知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

インドネシアの宗教事情、宗教別の人口や注意すべき点など

 

インドネシア人のアウトバウンド事情

インドネシア国内における日本旅行の立ち位置を知るためには、インドネシア国内におけるアウトバウンド情報も理解しておくとよいでしょう。

参考になりそうな数値をまとめます。

 

どれくらいのインドネシア人が国外へ飛び立っているの?

 

JNTOがまとめた数値によれば、コロナ前の2019年時点で11,689,000人のインドネシア人が外国へ旅行へ訪れています(パンデミックがあった2020年と2021年は当社判断でグラフから割愛)。

2023年以降のデータについてはJNTOからの発表はありませんが、参考としてインドネシア統計局が出している数値を記載しておきます。

JNTOのデータとはソースが違うので、あくまでも参考程度としてください。

出典:BPS-STATISTICS INDONESIA / Statistik Wisatawan Nasional Outbound Tourism Statistics 2023

インドネシア統計局の発表によれば、2023年は7,518,859人の海外旅行者がいたとのことです。

 

インドネシア人に人気の渡航先は?

インドネシア統計局が発表したデータによれば、2019年通年でインドネシアからの海外渡航者は1169万人でした(JNTO発表の数値と同じ)。

次のグラフは同レポート内、2019年渡航先の内訳についてです。

パーセンテージ表記だと直感的にわかりにくいので、上記グラフを元と年間渡航者数を元に数字に直したのがこちらの表です。

ランキング 渡航先 全体に占める割合 渡航人数
1 マレーシア 35.46% 4,145,274
2 シンガポール 18.40% 2,150,960
3 サウジアラビア 12.54% 1,465,926
4 東ティモール 4.92% 575,148
5 中国 4.77% 557,613
6 タイ 4.26% 497,994
7 日本 3.31% 386,939
8 オーストラリア 1.94% 226,786
9 韓国 1.76% 205,744
10 香港 1.60% 187,040

補足しますが、マレーシアやシンガポール、東ティモールはインドネシアにとって隣国です。

サウジアラビアが入るのは、イスラム教の方が「巡礼」で訪れるためです。

このような背景を鑑みると、中国、タイ、日本が中距離の観光地として接戦を繰り広げていると言えるでしょう。

ここ数年でインドネシアにおける訪日観光の人気は上昇しています。

もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

インドネシアで日本は旅行先として人気?訪日客数や出国先ランキング

 

まとめ

客観的なデータを中心にインドネシアの訪日インバウンド事情についてまとめました。

対インドネシアへのマーケティングにおいてはマクロ視点での理解も重要ですが、それ以上にミクロ視点での情報も重要です。

JAPASIANではインドネシア向け訪日インバウンドプロモーションのサポートも行っています。

「今のうちに先手を打っておきたい」「戦略立案のためにもう少し詳しい情報交換をしたい」という企業、自治体の皆様からのご相談をいつでもお待ちしています。

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