複数国への同時マーケティングが難しい理由

当社は2019年1月現在、インドネシアのみを対象としてサービスを提供しています。
特に広告宣伝、訪日インバウンドの部分で「複数国一気にできないか?」というご質問をいただきますが、頑なに今の所はインドネシアだけやらせていただいています。
なぜなら「その国を知らないとマーケティング(※)なんてできない」という深いこだわりがあるからです。
※ここで言うマーケティングは主に広告・宣伝を指しています。
Contents
できれば手間は削減したい!企業や自治体のニーズ
企業や自治体の方とお話すると本当によく「他の国もまとめてできないか?」というご相談をいただきます。
これは担当者の立場に立てば至極当然のニーズです。
海外向けマーケティングとなれば日本以外の複数国を対象としなければなりません。
外部に委託するにしても、国ごとに委託先が変わるとコミュニーケーションを取るのも大変になります。
できることならば1箇所に絞り込み、あとはよろしく!とできた方が業務負荷は軽減されます。
数カ国一気にマーケティングできる代理店?
そこで登場するのが「うちに任せれば複数国一気にマーケティングできます」という代理店です。
彼らの多くは海外各国にネットワークを構築済みと言います。
広いネットワークを駆使して広範囲でのマーケティングを一括で実施可能としています。
狭くはASEAN全域。広い時にはアジア全域という会社も出てきました。
ネットワークがあるだけで広告宣伝できるほど海外は甘くない
ここで少し考えていただたきたいのが、「ネットワークさえあれば海外の広範囲を一社で担当できるのか?」という質問です。
これがなかなか難しいのです。
仮に海外にあるネットワークがすべて自社の子会社で、現地にスタッフを送り込んでいれば別です。
ただ、ネットワークのみで日本から外部の海外企業に発注している場合は要注意です。
主に2つの理由があります。
国や人への理解がなければ適切な施策立案はできない
ある国のマーケティング施策を考える際、当たり前ですがその国への深い理解が必要になります。
- そこにどういう人が住んでいるのか?
- どういう生活を送っているのか?
- 今は何を求めているのか?
など、知るべきことは挙げればきりがありません。
ここがよくわからないまま、発信者の独りよがりで情報を発信しても受け手は「?」となるのがオチです。
日本で生活していても、たまに海外企業の広告でいかにもそのまま持ち込んだようなものに会うことがあります。
そして往々にしてそのような広告には何も感じないものです。
その国を外から見ただけでは適切な広告施策は打てません。
ハンドリングの難しさ
もう一つはハンドリングの難しさです。
国が変われば商習慣も変わりますし、仕事に対する価値観や常識も変わります。
特に「新興国」の中で仕事をする日系企業はすべからくプロジェクトのハンドリングに四苦八苦しています。
こちらが正しく完璧に進めても、必ずと言っていいほど何か問題が起きます。
「その国の中」にいても予定通りに物事が進むことはまずありません。
中に住んでいても難しい現地プロジェクトのハンドリングを、日本にいて遠隔地からできるとは思えません。
ブローカーになりがち
そうなると「ネットワーク」をもつ代理店は、結局は現地で誰かにプランニングからプロジェクト進行まで委託をすること、つまり現地にいる日本人や日本の商習慣を良く知る現地人にお願いすることになります。
そうなると日本の代理店の存在は顧客との窓口だけとなり、プロジェクト上の存在価値はほとんど無くなってしまいます。まさにブローカーの様な存在となります。
当社としては価値の薄いブローカーとして業務を広げるよりは、専門家としてインドネシアを担当したいという考えがあり現状はあまり手を広げることは予定していません。
日中韓一気にマーケティングされて人は振り向くか?
少し話が逸れますが、担当者側の手間を削減するという視点でいくと、コンテンツを焼き直すという方策もあります。
例えば中国向けに発信していた情報を言語だけ最適化して他の国へ使う、などです。
ただ、先程少し例に挙げた通り「とりあえず…」で投げた情報など誰にも見られないものです。
同じアジアと言えども国によって住んでいる人は異なります。東南アジアの中でさて千差万別。
逆の立場で考えてみるとよくわかります。
日本、中国、韓国を対象に同じ内容の広告を使って機能するでしょうか?
人を振り向かせられるでしょうか?
日中韓の市場に同じ情報を投げても同じ反応は得られません。
国が近くても、髪の毛の色は同じでも中身は別の人間です。
やはりマーケティングの王道は相手をよく知り、相手に合わせて伝える内容や伝え方を変えていくことなのです。
当社ではインドネシアへのマーケティングをインドネシアの中から支援することが可能です。
中でしか見えないこと、できないことをご提供します。
まずはお気軽にご相談ください。