ジャカルタ新卒の生活費(前篇)

筆者がジャカルタに来てからずっと疑問に感じていたことがあります。
「この物価が高いジャカルタで、インドネシア人はどのように生活しているのか?」ということ。
疑問の前提は下記2点。
大前提①:首都ジャカルタとはいえ、給与はまだまだ低い
インドネシアは格差社会です。言葉が乱暴ですが、使う人間と使われる人間の格差が激しい。
同じ年代(仮に20代中盤としましょう)でも綺麗なオフィスで英語を使い倒し、プロ人材として10万円以上稼ぐ人もいれば、ハウスキーパーとしてコス(マンスリーマンションと寮が合体したようなもの)に住み込み、
布団も無い中で生活して月1万円強稼ぐのがやっとという人もいます。
住み込みハウスキーパーの話は極端な例としても、ジャカルタの一般的な給与は低い。
ジャカルタの労働者の最低賃金は月3万円を切る程度です。
しかも、この設定は大企業の工場労働者に適用されるものであり、実際にはそれ以下の収入で生活する方も多くいます。
例えば、飲食店の一般的な従業員の場合は1.5~2.5万円程度が相場のようです。
先日ある飲食店経営者から伺った話ですが、30代前半の調理マネージャークラスの方で4万円強。
その4万円で家族4人を養っているとのことでした。
上記は「比較的給与が低い」方々(多くは教育機会に恵まれなかった方々)の話ですが、
仮に大卒だったとしても平均初任給は月3万円が相場のようです。
給与がそこまで急激に上がるわけはないでしょうから、
大卒だとしても数年は月数万円で生活している人が多いのでしょう。
上記から、月10万円以上もらっているようなプロ人材は「稀」と考えて良いと思います。
大前提②:ジャカルタの物価は高い
本ブログでちらほら書いていますが、ジャカルタでの生活は意外にお金がかかります。
確かにタクシー初乗り70円、マッサージも1時間で550円~、などサービスが安い面もありますが、
モノの値段はそれほど日本とは変わりません。
特に食べモノの値段が高い。
安全な食事を求めれば必然的に一食500円以上になりますし、水やお茶も買わねばならないので合計700円とかになることもザラ。
スーパーで食材を買ってもそこまで日本と変わりません。
日本で激安牛丼ばかり食べていた筆者としてはかなり高い印象を持っています。
もちろん我々が日本人であり、現地中流階級以上の生活圏で生活している、ということもありますが、
頑張ってワルン(屋台)でご飯を食べても水と併せて一食200~300円程度かかります。
上記の大前提を元に、「この物価が高いジャカルタで、インドネシア人はどのように生活しているのか?」という疑問が出るのです。
シミュレーションしてみます。
仮に大卒だったとして、1年目。
手元に3万円。最低の所得税でも5%引かれて2.85万円程度が手元に残る
一食300円に抑えたとしても、300円×3食×30日で27,000円。
あらら、家賃も光熱費も携帯電話代も交通費も、何も残らない・・・となるわけです。
高いタクシー(なんだかんだで1回乗れば200円は飛ぶ)をやめて、オジェ(バイクタクシー)に変えたところで1回100円は飛ぶ。1日2回乗ると200円×30日、で6000円。これでもかなり高いですよね。
かといって歩くにはジャカルタは広すぎるし、汚すぎる。
なんて疑問をインドネシア人(プロ人材で月に10万以上稼いでいます)にぶつけてみたところ、
笑いながら「私たち(筆者も含め)の生活圏と最低賃金で働く人達の生活圏を一緒にしてはいけない。」と言われました。
さらに「私も新卒時代は月3万円で生活していた」と3万円以内で生活する層の細かい話を教えてくれました。
長くなりそうなので、詳細は次回に・・。