インドネシアのライブコマース事情

インドネシア現地で生活していると、ここ数年で「ライブコマース(ライブショッピング)」が急激に生活圏に入り込んできていることを感じます。

この記事ではインドネシアにおけるライブコマース事情について、簡単に概要をまとめます。

なお、現地では「live shopping / ライブショッピング」と呼ぶことが多いのですが、本記事は日本向けですので「ライブコマース」で統一いたします。

 

インドネシアのライブコマース市場規模は?

ピンポイントでライブコマース市場規模を算出しているデータはありませんが、いくつか参考になりそうな情報を記載します。

まず、インドネシアにおけるEC全体の市場規模について。

ECDBのレポートによれば、インドネシアのECマーケットは2023年時点で707億USDあり、2024年には923億USDまで成長すると予測されています。

Statistiaでは2023年のインドネシア市場を820億USDと記載しています。

参照URL:https://www.statista.com/topics/5742/e-commerce-in-indonesia/#topicOverview

 

そのうちライブコマースの市場はどれくらいでしょうか?

ECDCのレポートでは2022年の時点で、インドネシアのオンラインショップユーザーの69%がライブコマースを利用したことがあると示されています。

 

また、Jakpat が2023年に実施した調査によると、インドネシアのオンライン ショッピング利用者の 86% がライブ ショッピングを視聴したことがありました。

そのうち65%が販売されている商品を実際に購入したことを認めたとのことです。

出典:https://jakpat.net/info/preferensi-platform-live-shopping-tiap-generasi/

上記を組み合わせると「現在のインドネシアではEC市場の70%弱がライブコマース経由」と言えそうです。

もはやライブコマースなしではインドネシアでECビジネスはできないと言っても過言ではないかもしれません。

 

インドネシアで人気のライブコマースプラットフォームは?

 

 

GoodStatsが2024年に実施した調査結果によると、TikTokが最も頻繁に利用されていることがわかりました(56%)

その後をShopee(33.3%)、Lazada(2.3%)と続いています。

 

インドネシア人がライブコマースを利用する理由は?

 

 

同じくGoodStats調査結果によると、インドネシア人がライブ ショッピングで買い物をする主な理由は、商品価格の安さ (49.8%) であり、割引やプロモーション (17.1%) がその後に続きました。

 

インドネシアにおけるライブコマースの利用頻度は?

 

 

同じくGoodStats調査結果によると、回答者のほぼ半数(48.7%)が少なくとも月に数回はライブ ショッピングプラットフォームで買い物をしていると回答しました。

また、週に数回買い物をしている人も22.7%と少なくなく、毎日購入している人は5%いました。

 

インドネシア人はいつライブコマースを利用している?

 

 

同じくGoodStats調査結果によると、最も利用されている時間帯は夜(18:00-22:00)で40%。その次は深夜(22:00-02:00)で32%となりました。

インドネシアのライブコマース市場は日が沈んでからが本番ということが見えてきます。

ベッドの上でゴロゴロしながらライブチャンネルを回遊し、思わず買ってしまう…という姿が想像できます。

 

「利用されているプラットフォーム」関する補足

「利用されているプラットフォーム」に関して補足を記載しておきます。

今回はGoodStatsが2024年に消費者を対象に実施した調査データを利用しましたが、2023年にIPSOSが販売者(現地の地元ブランドや中小零細事業者)向けに実施した調査では大きく異なる結果が示されてます。

IPSOSの調査結果では以下が示されています。

  • 想起率に関してはShopee Live(77%)がトップであり、最も近い競合である TikTok Live(19%) をはるかに上回った。
  • 利用頻度に関してはShopee Live(72%)がトップであり、 TikTok Live(26%)を上回った。
  • 市場シェアに関してはShopee Live(82%)がトップであり、 TikTok Live(18%)を上回った。

GoodStatsとは異なる結果です。これが「時間による変化」なのか「調査対象者による差」なのかは判断がつきませんが、参考情報として記載しておきました。

また、これは筆者の私見ですが「販売機能があるプラットフォーム」以外でも、Instagramでライブ配信をしながら「チャットと即時振込」で商品販売をするセラーも少なからず存在しています。

この「プラットフォーム以外の数字」もあるということは念頭に置いて、引き続き市場の推移を観測したほうが良いかもしれません。

 

インドネシアのEC全体について情報を探している人はこちらの記事もご参照ください。

インドネシアのEC、オンラインショッピングの利用状況【2024年版】

関連記事

  1. インドネシアのGDP成長率

  2. 「めでぃぱす」で当社の事例が掲載されました

  3. インドネシアのメディアが報じる「訪問すべき日本のユニークな観光スポット…

  4. インドネシア2025年の祝日、大連休は桜シーズンと重複で訪日観光期待大…

  5. インドネシア人に人気の日本食 20選

  6. 訪日インバウンドプロモーションは言語対応だけでは届かないという話

お問合せはコチラ
お問合せはコチラ