現地ニュースで興味深い調査報道があったのでサマリーを日本語でお伝えします。
参考ニュースは以下2つです。
▶Ini Negara Tujuan Wisata Favorit Wisatawan Indonesia (これがインドネシアのお気に入りの旅行先)
ニュースのメインソースとなっている調査はVISAが定期的に実施している「Green Shoots Radar」という調査です。Green Shoots Radarでは金融サービス、貿易、旅行などのさまざまな分野の消費者心理を分析しています。
以下より、サマリーを記載します。
インドネシア人観光客の旅行頻度が急増
VISAのGreen Shoots Radar調査によると、インドネシア人観光客の旅行頻度が急増しています。調査対象のインドネシア人回答者の28%が過去1年間に観光またはビジネス目的で海外旅行をしたことがあったことが明らかになりました。これは、アジア太平洋地域全体での旅行の広範な増加と一致しており、この地域で調査を受けた回答者の37%が同時期に海外旅行をしたことがあると答えています。
人気の旅行先
インドネシア人観光客にとって、日本は依然として主要な観光地であり、昨年は33%が日本を訪れました。次いでシンガポール (31%) が 2 番目に人気の旅行先で、オーストラリアと韓国がそれぞれ 17% で続きます。
旅行予約と支払い方法
インドネシアの旅行者は、オンラインの旅行代理店や総合サイトから直接航空券や宿泊施設を予約することを好みます (57%)。オンライン旅行代理店を通じて宿泊施設を予約し、予約時に全額支払った回答者の間では、デビットカード (38%) が最も一般的な支払い方法であり、次にクレジット カード (27%) でした。
今後の旅行意向
旅行の将来は依然として有望であり、インドネシア人の回答者の 60% が今後 12 か月以内に海外旅行を計画しています。今後 12 か月以内に観光客が訪れる予定の観光地のトップ 3 は日本 (28%) で、次いで韓国とシンガポールが 19% で続きます。
考察
インドネシア人観光客の旅行頻度が急増していることは、東南アジアにおける観光業の回復の兆候と言えるでしょう。日本は引き続きインドネシア人観光客にとって主要な目的地であり、今後12ヶ月間も高い人気が予想されます。旅行予約と支払い方法においては、オンライン予約とデビットカード/クレジットカードの使用が主流となっています。
参考調査データ
- VISA Green Shoots Radar 調査
- VISA 2023年 世界旅行意向調査
- VISA 2023年 消費者の支払い態度に関する調査
まとめ
サマリーは以上です。
日本のJNTOが発信しているデータとは多少異なる部分はあれども、概ね日本旅行が人気であるという傾向は変わりません。
驚くべきは「インドネシア人の回答者の 60% が今後 12 か月以内に海外旅行を計画しています。」という部分です。
インドネシアのパスポートは日本のパスポートとは違い、海外旅行に行くには面倒なビザ手続きを行わなければならない場合がほとんどです。また、裕福になってきたとはいえ一般層の平均所得はまだ日本ほど高くはありません。それにも関わらず、この海外旅行に対する意欲には目を見張るものがあります。
もちろんクレジットカード会社のVISAが主導する調査である、ということは差し引いて考える必要はあります。それでもこの旺盛な消費意欲はうらやましい限りです。