インドネシアのSNS利用状況【2020年最新版】

インドネシアはSNS大国と呼ばれるほど、ソーシャルメディアの利用度が高い国と言われています。
訪日観光では訪日したインドネシア人の24.2%がSNSで情報収集をしたというデータもあり(観光庁 訪日外国人消費動向調査2018年)、消費者の情報収集チャネルとしても重要になっています。
ちなみにこの数字は2018年のデータなので、現在はさらに重要度が増している可能性は高いでしょう。
本記事では、インドネシアのSNS利用状況について、2020年2月時点での最新情報をアップデートし共有いたします。
2021年の情報はこちらの記事をご参照ください。
インドネシアのインターネットユーザー数はどれくらい?
Asosiasi Penyelenggara Jasa Internet Indonesiaが発表しているデータによれば(2019年3~4月の取得データ)、インドネシアでは全人口約2.64億人のうち64.8%がインターネットを利用することが可能であり、インターネット人口は約1.71億人とされています。
【参考】APJII: Jumlah Pengguna Internet di Indonesia Tembus 171 Juta Jiwa
2018年から2019年の1年で10.12%増加しています。
また、2020年2月18日にwe are socialとHootsuiteが発表したデータでは、インドネシアのインターネット人口は約1.75億人とされています。
同レポートでは約1.75億人のうち、約1.6億人がSNSのアクティブユーザーとされています。インドネシアではインターネット利用者のほぼすべてがSNSを利用していると言っても過言ではないでしょう。
蛇足ですが、これら(インタネットユーザーの増加や高いSNS利用率)の背景には、中国系ブランドに代表される低価格帯スマートフォンの急激な普及があると考えられます。
2017年時点では約5500万人だったスマートフォンユーザーの数が、2020年には約1億人にまで膨れるという情報もあります。
【参考】Insights into the 2.3 Billion Android Smartphones in Use Around the World
1億人という数字はインドネシア総人口の50%以下の数字です。
今後もスマートフォンの普及とともにインターネットユーザーの数は爆発的に増加していくことは間違いないでしょう。
インドネシアのSNS利用状況は?
先ほども引用した、2020年2月にwe are socialとHootsuiteが発表したDigital 2020 Indonesiaを元に説明します。
SNSの利用時間

引用:Digital 2020 Indonesia (January 2020) v01
インドネシア人はなんと平均して1日約8時間インターネットを利用しています。さらにその半分近くとなる、約3時間半(3時間26分)もの間SNSを使っています。
日本からはあまり想像ができないかもしれませんが、インドネシア人は仕事中もスマートフォンをいじるのは当たり前。飲食店やショップの店員も、仕事中であってもスマートフォンを開いています。
中にはメッセンジャーアプリで仕事をしている人もいますが、ダラリとSNSを楽しんでいるだけの人も少なくありません。
巨大なインターネット人口に、SNSが大好きな国民性。SNS大国と言われる所以がここにあります。
インドネシアで人気のSNS
下記は『最も使われているSNS』に関するグラフです。16歳から64歳のインドネシアのインターネットユーザーに、直近で利用したSNSを回答してもらった結果です。

引用:Digital 2020 Indonesia (January 2020) v01
現地の定性的な情報も加えながら、TOP5 まで補足します。
SNS | 利用率 |
YOUTUBE | 88% |
84% | |
82% | |
79% | |
56% |
YouTube
Youtubeの利用率が88%と、最も使われるSNSとなっています。2019年初頭にwe are socialが発表したレポートでもYoutubeは1位でしたので、そのまま首位を継続した形となります。
インドネシアはインターネットの速度は遅いのですが、通信データ価格は他国と比べて比較的安く設定されています。
そのため大容量データとなりがちな動画ストリーミングでも利用されやすいのかもしれません。
もちろん、フリーWi-Fiを活用しながらカフェでだらりと動画を見る層も一定数いると思われます。
蛇足ですがインドネシアでNo.1のYoutuber、Atta Halilintarのチャンネル登録数は2020年2月24日時点でなんと2100万人!
日本のNo.1 Youtuberであるはじめしゃちょーの登録数が836万人(同日比較)ですので、インドネシアでの利用者層の多さが感じられます。
Atta Halilintarのチャンネルは東南アジアで最も早く1000万人の登録数を超えたチャンネルとしても知られています。
WhatApp
Facebook傘下のWhatAppが84%となっています。WhatAppは一般的なイメージのSNSではなく、LINEのようなメッセンジャーアプリです。
インドネシアでは個人間の連絡はもちろん、企業や店舗のカスタマーサポートまでWhatsAppが使われます。
ひと昔前までインドネシアではブラックベリーのメッセンジャー(BBM)がその役割を担っていましたが、完全にWhatsAppに入れ替わった形となりました。
インドネシア人のスマートフォンにはほぼ確実にWhatsAppアプリがDLされています。カスタマーサポートや予約対応などでWhatsAppを活用すると、インドネシア人としてはコミュニケーションがとりやすいはずです。
ちなみに、あまり日本では知られていませんが、WhatsAppにもInstagram Storyのように「動画や写真を時間限定で投稿する機能」がついています。
Facebookの利用率は82%となっています。数年前からランキングの上位に位置しています。世界最大のソーシャルメディアとして、インドネシアでも多く利用されています。
以下は筆者の個人的見解も含みますが、インドネシアでは「近況報告」のような使われ方が多いように感じます。私的な場というよりは公的な社交場のようなイメージです。
あまりポストしない人でも、結婚報告や出産などライフイベントではFacebookに投稿していたりします。この辺りは日本と似ているかもしれません。
Instagramの利用率が79%となっています。Facebookと並び、最も使われるソーシャルメディアの一つとして地位を確立しています。
Instagramは特に20~30代の若年層の利用率が高いとされています。インドネシア人口分布のボリュームゾーンがまさに20~30代であり、今後の消費の中心でもあります。
以下は筆者の個人的見解も含みますが、インドネシアの企業でもInstagramを通じた情報発信を重視する傾向にあります。
情報発信やファンとのコミュニケーションはInstagramを軸に展開し、Facebookにはコピーポストという流れが増えています。
Twitterの利用率が56%となっています。インドネシアで生活しいていると「Twitterはもう古い」など言われることも多いのですが、利用率を見ると昨年からほぼ落ちていません。
Twitterの場合は「情報収集」で使われることが多いです。特に自然災害やテロ、暴動などの時には激しく情報が行き交います。瞬間風速的な拡散性が高く、フェイクニュース拡散の温床になることもあります。
目的に応じた使い分けを
ここ数年インドネシアではSNSの利用率が高止まりしたまま、母集団となるインターネット利用者数が伸び続けています。
インドネシア向け訪日プロモーションにおいても、今後ますますSNSの重要性が増すことは間違いないでしょう。
ただ、大企業でもない限り主要ソーシャルメディアのすべてに注力することは難しいでしょう。自分たちのステージに応じた目的を設定し、優先順位を付けて運用していくことが肝要かと存じます。
当社では定量的なデータだけではなく、「実際の使われ方」のような定性的な現地情報も含めた運用サポートが可能です。
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