最終更新日 2024年3月13日
当社では年始より某大学のインドネシア留学生獲得に向けたプロモーションを支援しています。プロモーションのゴールはもちろん留学生の獲得です。
お客様は長期的な視点でインドネシアを重要マーケットと位置づけており、まず知名度の向上とともに「●●と言えば▲▲」というイメージの形成を狙います。
当社が提携している現地の日本情報メディア『Japanese Station』と連携しながら、インドネシアの「若年層×日本好き」に対して情報提供していきます。
さて、インドネシアと言えばビジネスのイメージが強いかと思いますが、留学生マーケットという視点ではどのような位置づけなのでしょう?よい機会ですので、少し調べてみました。
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日本語学習者が多い国「インドネシア」
国際交流基金(JAPAN FOUNDATION)が3年ごとに実施している「海外日本語教育期間調査」では各国の日本語学習者の数を公表しています。
2018年度の調査によれば、インドネシア(709,479人)は中国(1,004,625人)に次いで世界で2番目に日本語学習者が多い国となっています。
ちなみに第3位は韓国(531,511人)です。
インドネシアでは高校の第二言語として日本語を選択することができます。
元々日本語に興味がある人に加え高校の授業を通じて日本語に興味を持つ人もおり、その結果として「日本語学習者の多い国」となっているのでしょう。
なおJAPAN FOUNDATIONの数字は「独学」の数字を含んでいません。インターネットの無料コンテンツなどで独学する学習者を含むとこれ以上の数字になることが予想されます。
日本へ留学する場合は最低限の日本語能力も必要となるため、日本語学習者が多いということはプラスポイントとなります。
また実際にインドネシアの都市部で生活をしていると、アニメなど「日本のコンテンツ」を通じて日本に興味を持ってくれているインドネシア人に出会うことも少なくはありません。
「日本」を武器に活躍するインドネシア人インフルエンサーも多数います。
具体的な数を述べることはできませんが、ありがたいことに日本という国に対して様々な確度から興味を持つインドネシア人たちが一定層いるということは言えるかもしれません。
日本への留学生はまだ多くはないが増加傾向
次に日本への留学生の数を見てみましょう。
日本全体における外国人留学生の内訳を見ると、2019年度のデータではインドネシアは7位となっています。
ASEAN加盟国だけを比較すると、ベトナムだけ頭一つ抜けており、インドネシア含めた他国はまだまだこれからという印象を受けます。
インドネシア単体だけ見ると、外国人留学生全体の伸びに併せて堅調に推移していることが見受けられます。
豊富な若年層と中間層の増加
年代別の人口比率と中間層の増加に関しても触れておく必要があるでしょう。
インドネシア中央統計局(BPS)の公式発表によればインドネシアの人口は増加傾向にあり、2020年には2億7,020万に達しました。
【参考】BPS: 270,20 juta Penduduk Indonesia Hasil SP2020
またインドネシア中央統計局は2021年時点でインドネシアの人口ボーナスはピークに達し2036年まで続くと公式見解を述べています。
【参考】Kepala BKKBN: Hasil Sensus Penduduk 2020, RI Masuki Periode Terbaik Bonus Demografi
また同じくインドネシア中央統計局は2021年時点でインドネシアの人口ボーナスはピークに達し2036年まで続くと公式見解を述べています。
そしてその後も人口増加傾向は続き、2045年には3億1,900万人に達すると予測しています。
【参考】BPS: Pertumbuhan Penduduk Usia Produktif dalam Tren Positif
【参考】BPS: Penduduk Indonesia Diprediksi Capai 319 Juta Jiwa di 2045
ASEANの中には早くも高齢化へ差し掛かっている国もありますが、インドネシアにおいてはしばらくは高齢化が問題になることはありません。
引き続き「若者が多い国」というイメージを持ち続けて相違はないでしょう。
中間層の増加については様々な予測データがありますが、信頼できる数字として実績データをご紹介します。
経済産業省が2020年に発表したインドネシアレポートの中は『2000年には28.8%程度であった中間所得層(世帯所得5,000~34,999US$)が、2018年には68.4%にまで急増した(出所ユーロモニター)』と報告されています。
【参考】医療国際展開カントリーレポート インドネシア編(経済産業省)
実際に海外留学をする場合、富裕層が自費で留学するか、中間層が奨学金を活用することが多いです。
そのため中間層の増加が直接留学生の増加に関与するわけではありませんが、中間層の広がりが教育水準を高め海外に興味を持ち留学を実行する若者は増えていくでしょう。
インドネシアからの海外留学生は少ない?
ここまでの数字を見ると、少なくも『インドネシアから日本への留学生の数は今は多くはない』ということが言えそうです。ではインドネシアから他国への留学生についてはどうなのでしょうか?
インドネシア国内で整理されたデータは見つからなかったため、以下の記事よりポイントを抜粋してご紹介します。
少し古いですが2016年時点のUNESCOのデータによれば、海外留学する(海外の学位を目指す)インドネシア人の数は47,317名でした。この数字はベトナム(82,160名)、マレーシア(64,187名)に続きASEANの中では第3位となっています。
これは各国の人口を考慮すると決して高い数字ではありません。2016年時点での留学生の国内比率を見てみると、マレーシアは5.14%、ベトナムは3.56%、インドネシアは0.57%となっています。
しかしインドネシアは世界第4位の人口と高い若年層人口比率を誇ります。2017年時点のデータではインドネシア人口の40%が25歳以下となっておりその数は1億1,700万人。この数字は中国(6億1,600万人)、インド(4億1,700万人)に続き世界3位となっています。
インドネシアは世界で3番目に25歳以下の人口が多い国なのです。
インドネシアから日本への留学生は増えるか?
Education in Indonesiaによれば、2016年時点でのインドネシア人に人気の留学先はオーストラリア(10,676人)。日本は第5位(2,854名)です。
UNESCO公式データではありませんが中国には約14,000名のインドネシア人が学んでいるという中国政府の情報もあります。
中国の数字が正しけれれば、地理的な条件が等しい日本にもまだポテンシャルがあるのかもしれません。
ただしインドネシアからの留学生を増やすためにはインドネシア国内への丁寧なプロモーション、及びフォローアップ(奨学金や移住サポート)の両軸を平行して進める必要があるでしょう。
インドネシア向けにプロモーションを検討されている学校法人の皆様はお気軽に当社までご相談ください。調査からプロモーションまで丁寧にサポートいたします。