インドネシアのレバランと訪日インバウンドの関係

インドネシアへのマーケティング展開を考える上で、祝日を把握しておくことはとても重要です。

その中でも期間が長く、インパクトも大きい「レバラン(Lebaran)」は特に重要でしょう。

レバランはインドネシアの中でも大きな長期休暇でもあり、インドネシアにおける海外旅行のピークシーズンのひとつでもあります。

そして2025年以降、数年にわたり訪日旅行のピークシーズンである「桜シーズン」とレバランがぶつかります

このタイミングを逃すと、次に同じことが起こるのは約33年後です。

この機を逃さぬよう、本記事ではインドネシアのレバランについての基礎知識をお伝えします。

レバラン(レバラン大祭)とは何か?

レバランとは「Lebaran」と綴り、断食明け大祭のことを意味します。

レバランはインドネシア語であり、もともとの言葉はアラビア語で「イード・アル=フィトル」と言います。インドネシアではほかにも「Idul Fitri」と呼ばれることもあります。

イスラム教の人々は毎年、イスラム歴に則りラマダン(Ramadan)呼ばれる断食月を迎えます。

約1か月に及ぶラマダンを終えると、インドネシアでは2日間のレバランを迎え、その後は国全体で一週間ほどのレバラン休暇に入ります。

もう少しわかりやすく簡素化して書くと、レバランとはインドネシアのムスリム(イスラム教徒)たちにとっての「お正月」とも言えます。

そしてムスリム以外の人たちにとっては一年の中で最大の長期休暇でもあります。

 

レバランは旅行のピークシーズンでもある

インドネシア国内では3回の旅行ピークシーズンがあるといわれます。

  1. 年末休暇
  2. レバラン休暇
  3. 6月末~7月上旬ごろのスクールホリデー(影響はやや小さめ)

このうち、1と2は特にインパクトの大きいシーズンです。

基本的にムスリムの人々は、レバラン休暇の時期はムディック(Mudik)とよばれる帰省を行い、親族で集まったりお墓参りをしたりします。一方で、家族旅行を楽しむ人たちや、帰省せずに単身で旅行を楽しむ人も一部います。

また、ムスリム以外の人々にとっては日本のゴールデンウィークのような大連休となるため、休暇を使って海外旅行を楽しむ人が多くいます。

その結果、年末年始に次ぐ旅行のピークシーズンとなるのです。

 

以下は2019年(コロナ前)のインドネシア人の出国数データです。

インドネシアからのアウトバウンド数、2019年の月別データ

引用元:Laporan Survei Wisatawan Nasional (Outbound) Tahun 2019

2019年のレバランは6月5日から6日であり(※)、その前後で約9日間ほどのホリデーシーズンとなりました。

上記のグラフを見ると、JUN(6月)の出国者数は1,035 (千人)となっており、1月と12月に次いで出国者が多い月となっていることがわかります。

※後述しますが、レバランは毎年タイミングが移動します。

 

レバランは移動する!2025年以降は訪日ピークシーズンとぶつかる

ラマダンもレバランもイスラム教の行事ですので、イスラム歴に則って制定されています。

イスラム歴は太陰暦であり、私たちが普段使う太陽暦よりも約11日短い周期で動いています。

そのため、1年365日で構成される太陽暦のカレンダーで見た場合、毎年開始時期が早まります

直近のインドネシアにおけるレバランの日付を見てみましょう。

公式な日付は毎年宗教省のアナウンスで確定するため、2025年以降は予定として記載しておきます。

 

2022年 5/2 – 5/3
2023年 4/22 – 4/23
2024年 4/10 – 4/11
2025年 3/31 – 4/1  (予定)
2026年 3/20 – 3/21  (予定)
2027年 3/10 – 3/11  (予定)

毎年レバランの2日間が休暇となり、その前後で「有給休暇一斉消化日」が制定されます。さらに土日の休み、そして人によっては個人的な休暇も繋げるため、前後数日を含む長期休暇となります。

上記の表を見ると、2024年は少し遅いですが、2025年と2025年はちょうど桜シーズンにぶつかります(休みの取り方によっては2027年も)。

 

そして他国に漏れず、インドネシアでも桜シーズンは訪日観光のピークシーズンの一つとなっています。

 

日本の観光関係者から見た時に、2025年から2027年にかけてはインドネシア人を呼び込む絶好のタイミングとなるはずです。

この機を逃すと、次にレバランが桜シーズンとぶつかるのは約33年後(※)です。

※太陰暦と太陽暦は約33年で1年の差異を生むそうです。

 

桜自慢のエリアの皆様は、このタイミングでインドネシアへのプロモーションを強化されてはいかがでしょうか?

当社ではインドネシア向け訪日インバウンドプロモーションの支援を手掛けております。

ご興味をお持ちの方は、情報交換からでもお気軽にお声がけください。現地ジャカルタより、担当者が最新の動向をお伝えします。

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