訪日インドネシア人の旅マエ・旅ナカの情報源は何?

訪日インバウンドプロモーションを展開する際、各国の「情報収集」の傾向を抑えておくことは重要です。

予算を投じて情報発信しても、ターゲットに届かない場所で情報を発信しても意味がありません。

それでは訪日インドネシア人は旅行に関する情報をどこで取得しているのでしょうか?

本記事では「観光庁 訪日外国人消費動向調査 2023年1~3月期※2次速報」を元に、訪日インドネシア人の情報取得について最新の動向をまとめます。

 

訪日インドネシア人・旅マエ(出発前)に役に立った旅行情報源

 

上位10項目のみを抜粋してグラフ化しています。

1位は日本政府観光局ホームページ(32.6%)でした。

観光地の情報はもとより、ビザや移動手段の情報などが「インドネシア語」で網羅されているという点が大きいのでしょう。

 

2位はSNS(28.5%)でした。

2023年時点でインドネシアには約1.67億人のSNSユーザーがおり、18歳以上の人口カバー率は約79.5%、平均利用時間は1日あたり3時間18分です。インドネシアではSNSは重要な情報源・コミュニケーションツールとして機能しています。

アンケート上では「どのSNSが使われているか?」まで踏み込んでいませんが、順当にいけばInstagram、そしてTiktokが上位に入るでしょう。

インドネシアのSNS利用動向に関する最新情報については下記の記事もご参照ください。

3位は動画サイト(25%)でした。

インドネシアのYoutubeユーザーは理論値(広告の潜在リーチ数)で1億3,900万います。

InstagramやTiktokのショート動画も人気ではありますが、得られる情報の深さには限界があります。
より詳細な情報を探す際に、Youtubeは重要な役割を占めていることがうかがえます。

 

訪日インドネシア人・旅ナカ(日本滞在中)に役に立った旅行情報源

 

9割近くの訪日インドネシア人がスマートフォンを活用して情報取得しています。

これは完全に時代の流れですので逆行することはありません。

入国した後も旅行者に情報提供できるチャンスが豊富にある、とも言えますね。

それではいったいどのような情報を日本国内で仕入れているのでしょうか?

 

訪日インドネシア人・旅ナカ(日本滞在中)に役に立った旅行情報

1位は交通手段(71.6%)で2位は飲食店(59.2%)です。

その後に観光施設(36.5%)、宿泊施設(35.2%)、買い物場所(35.1%)がほぼ僅差で並んでいます。

本調査データによれば訪日インドネシア人の77.4%が個人手配(FIT)で日本を訪れています。

また国民性としてあまり事前に細かい予定を立てない方が多いです。。

ある程度訪れるエリアは決めるものの、現地で情報を仕入れながら細かい旅程はその都度決めていくスタイルが主流です。

 

旅マエの情報源が大きく変わった

データとしては以上なのですが、少し考察を加えます。

今回のデータは「コロナ後に本格的に訪日インバウンドも回復してきたタイミングでのデータ」と言えます。

 

データをまとめていて感じたことは「旅マエの情報源についてはコロナ前から大きく変わった」という点です。

 

ここでコロナ前のデータ「旅マエの情報源」に関するデータをご覧ください。

下記のグラフは2019年時点での「旅マエの情報源」に関するグラフです。

 

グラフでは「旅マエに役立った情報源」は以下の順番となっています。

1位 自国の親族・知人(28.7%)
2位 口コミサイト(27.3%)
3位 SNS(24.2%)
4位 動画サイト(24.1%)
5位 日本在住の親族・知人(22.9%)
6位 日本政府観光局(19.6%)
7位 個人のブログ(18.8%)
8位 旅行会社(18.7%)

どのように変化したのかをわかりやすくするため、表にしました。左の列がコロナ前、右の列がコロナ後です。

右側の列に関してですが、コロナ前後でパーセンテージが下がったものは赤、上がったものは青で表示しています。

 

コロナ前(2019年時点) コロナ後(2023年1-3月)
1位 自国の親族・知人(28.7%) 9位 自国の親族・知人(14.2%)
2位 口コミサイト(27.3%) 7位 口コミサイト(トリップアドバイザー等)(15.1%)
3位 SNS(24.2%) 2位  SNS(Facebook/Twitter/微信等)(28.5%)
4位 動画サイト(24.1%) 3位 動画サイト(YouTube/愛奇芸等)(25%)
5位 日本在住の親族・知人(22.9%) 5位 日本在住の親族・知人(16.4%)
6位 日本政府観光局(19.6%) 1位 日本政府観光局ホームページ(32.6%)
7位 個人のブログ(18.8%) 6位 個人のブログ(16.3%)
8位 旅行会社(18.7%) 8位 旅行会社ホームページ(14.4%)

 

「自国の親族・知人」や「口コミサイト」、そして「日本在住の親族・知人」への依存度が大きく下がったことがわかります。

コロナ前の時点では「インドネシア人の一番の情報源と言えば身近な家族や知人」というのが常識的な考え方でしたが、この3年で大きく変化したようです。

少なくとも「観光」の分野で行けば「自国の親族・知人」よりも「SNS」という時代がインドネシアにも到来しました。

これから訪日客の増加に伴い、SNS上での訪日コンテンツも増加するはずです。

SNS依存の傾向はさらに高まりそうです。

 

また、特筆すべきは「日本政府観光局」の躍進でしょう。

「日本政府観光局のインドネシア版ホームページ」が訪日インドネシア人の旅マエの情報源として重要な役割を果たしていることが理解できます。

情報量や情報鮮度に加え、「インドネシア語」で情報取得できる点が大きいのかもしれません。

インドネシア人は一部のエリートをのぞき、英語が得意ではありません。

やはりインドネシア人をターゲットとするならば、インドネシア語での情報発信が重要である、と感じさせる変化です。

 

最後に

長くなりましたが、訪日インドネシア人の旅行関連情報取得に纏わるデータをアップデートいたしました。

当社ではインドネシアに向けた訪日プロモーションのサポートもご提供していますので、ご展開を検討されている方はお気軽にご相談ください。

インドネシア人Social Mediaマーケッターがサポートする「インドネシア語SNSアカウント運用支援」もご提供しております。

 

また、現地最大の日本情報サイトJapanese Stationを活用した情報発信も可能です。

メディアを起点としてSNSやインフルエンサーまで含めた展開が可能です。こちらもお気軽にご相談ください。

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