過去6か年で300%以上の増加?インドネシアでは訪日ブームが到来しつつある、と考えられる理由

当社では現地の広告代理店チームと業務提携を行い、インドネシア向けにインバウンドプロモーションを展開できる体制を整えました。
詳しくはサービスページをご覧ください。
サービスページの中ではインドネシアを取り巻く訪日観光の状況について背景を説明しています。その中ではJNTO(日本政府観光局)が発表しているインドネシアからの訪問先数推移(インドネシアから出国したインドネシア人がどこの国へ行っているのか?)のデータも引用させていただきました。
この数字は様々な見方ができるのですが、今回は少しデータだけでは見えてこない部分の補足説明をいたします。
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インドネシア国内からの出国者数が急増している日本
下記の表はJNTOが「訪日旅行誘致ハンドブック2018_インドネシア編(JNTO)」で公開しているデータを抜粋し加工したものです。
インドネシアから出国するインドネシア人たちが、毎年どれくらいどこの国へ向かっているのか?を示しています。
一部「中国」や「タイ」は最新のデータが不足していますが、それでも日本へ向かうインドネシア人の数が他国と比べて圧倒的な伸び率で増えていることが見て取れます。
他の国が過去6か年で多くとも130%代の伸び率を見せる中、日本だけ338%と脅威の伸び率を見せました。
ちなみに表に記載された国以外にも、台湾やマカオ、オーストラリアなどがあります。6年前は日本はそれらの国よりも低い位置におり、人気の渡航先として上位10か国にすら入っていませんでした。
この数か年でそれらの国を追い越し2016年の時点で上位8位にまで食い込んだということです。
マレーシアやシンガポールには勝てない?
このデータを見ると「確かに日本の伸び率はすごいがマレーシアやシンガポールと比べるとまだまだ絶対数は少ない」と思われる方が多いでしょう。
ただ、マレーシアやシンガポールよりも渡航数が少ないからと言って「日本への旅行者数は少ない」と割り切ってしまうのは少しもったいない考え方です。
理由は「マレーシアやシンガポールの渡航者には多数の出稼ぎ労働者も含まれる」からです。
手元に統計データはありませんが、一般的にインドネシアからは毎年数百万人単位の出稼ぎ労働者が隣国へ働きに出ていると言われます。そのうちマレーシアは主要な出稼ぎ市場。シンガポールや中東も多いです。
一方で日本へ出稼ぎに訪れる人はたかが知れているでしょう。
つまり純粋な旅行者の数だけ抜粋すると、近い将来日本が「観光だけで見れば超人気国」となる可能性が見えてきます。
サウジアラビアの特殊性も忘れてはならない
ちなみにサウジアラビアもインドネシアにとっては特殊な国。
インドネシアの約9割を占めるムスリムには「ハッジ」と呼ばれるメッカの巡礼を一生に一度行う義務があります。また最近では「ウムラ」と呼ばれる「小巡礼」も人気となっています。
2016年時点ではハッジには約23万人、ウムラには約65万人がインドネシアからサウジアラビアを訪れており合計で「約88万人」が「宗教的理由」で訪れていることになります。
【参考】インドネシア、メッカ小巡礼「ウムラ」が人気 中所得層の拡大が背景
2016年のサウジアラビアへの渡航者数は94万人ですので、ほとんどが「宗教的理由」で訪れているということになります。
ライバルは韓国!どこまで数字が伸びるのか今後期待大
数字の裏側を考察すると、インドネシアの中で日本が「観光地」として人気になってきていることが見えてきます。
全体の母数となる「インドネシア全体の出国者数」も年々伸びており、インドネシア観光創造経済省の公式発表では2016年には820万114人でした。
この数はインドネシア全体の人口2.6億人から考えるとまだわずか3%強であり「発展途上」です。それでもすでにタイの出国者数(約820万人/国連世界観光機関データ)と肩を並べており、巨大人口のすごみを感じます。
インドネシアがこのまま成長すると間違いなくASEAN有数の「アウトバウンド創出国」となるでしょう。
その中で日本のライバルとなるのは韓国です。最近インドネシアでは再びKpopが人気を博しています。それに伴い観光客も増えていくことが予想されます。「日本」そして「韓国」の今後の出国者数推移が楽しみですね。
中国や台湾の訪日インバウンド市場と比べてインドネシアでの訪日プロモーションはまだまだ多くはありません。今のうちに種をまいておき、来るべき時に刈り取れるよう当社ではプロモーションを支援しております。
まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。